院長挨拶

わたくしの思い

ただひたすらに、患者さんと向き合い、寄り添っていきたい。

ご自宅でのかけがえのない時間。
ゆっくりと流れる自分だけの時間。
家族と過ごすあたたかな時間。
刻々と流れていく時間はすべてが宝物。
そんな時間を大切にしていくために
ただひたすら寄り添っていくこと。
私にできることはそれだけかもしれません。

長野冬季オリンピックの頃、長野県北信地方の美しい街で私の訪問診療は始まりました。
私が手術したがん患者さんが、数年後に再発転移のため入院されました。治療にもかかわらず病状が悪化していく中、患者さんはご自宅で最期を迎えることを希望されました。病院勤務医の私には、状態的に退院させる事は到底無理であろうと感じられました。当時は訪問看護や介護保険などの制度もまだ無い時代、在宅中心静脈栄養法などの医療技術も一般的ではありませんでした。自宅に帰りたいという強い希望を叶えるため、看護師、薬剤師、など各部署とチームを作り、病院から毎日往診し、点滴の交換に行きました。患者さんやご家族のお話をゆっくり聞き、豊かに流れる時間を共有させていただきました。私の訪問診療の原点はそこにあります。

現在、医療者が自宅療養で使うことができる医療技術は飛躍的に進歩しています。また、訪問診療や訪問看護、訪問介護等の在宅医療を支える制度も整備されたものになりました。しかし、一番大切な事は当時と何も変わらないと私は考えております。
このたび、札幌で在宅診療を必要とする皆様にご自宅での安心できる豊かな時間をお届けするべく、『リラの杜在宅クリニック』を開業するに至りました。

ただひたすらに寄り添うこと。
私にできることは、それだけかもしれません。
ご自宅での生活に最期までしっかりと寄り添うこと。
心を見つめながら人生の最終ステージのお手伝いをさせて頂きたい。
私はそのように考えております。

令和3年10月1日
院長　伊藤徹

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